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年の瀬百景~上野鈴本演芸場 [見る]

年の瀬百景~上野鈴本演芸場

きょうは東京消防庁の新春出初め式、楽しみな式守錦太夫です。
今年はちょうど連休と重なったので、相当の人出が予想されます。
見に行きたいことこの上ないのですが、きょうは2セット勤務の遅番予定で、行けません。
いつか、出初め式デートをしたいなあと思うのですが、行ってくれる女子はいないかなあ。
盛り上がると思うんだけど・・。

2017年の暮れの模様の続きです。
年の瀬になると聴きたくなるのが落語の席。
20180106鈴本1.jpg
ここ数年、上野・鈴本演芸場では、暮れの夜席で、
たっぷり芝浜を聴く会が催されているのですが、
今年は少しだけマイナーチェンジして、
「年の瀬に聴く 芝浜と柳田格之進」でありました。
20180106鈴本2.jpg
人情噺、それも歳末でないと聴くことができない噺を、演者が日替わりでやる企画。
私が行った日は、柳家さん喬師匠の「柳田格之進」でした。
会場に入ったのは19時ちょっと前、中ドリの師匠のちょこっと前というあたり。
寄席は途中入場もできるので、時間があればひょっこり聞けます。

この日の中ドリは、講談師の宝井琴調先生。
赤穂浪士と忠臣蔵の一席でありました。
講談というのはなかなか聞く機会がないのですが、この日はかなりすんなり入ってきた。
兄弟の情を存分に語り、半分くらいの入りのお客さんが、
どんどん引き寄せられてくるのが、見事でありました。
鈴本では、この講談の先生をよく登場させるので、席亭(興行主)が好きなんだろうな。
落語とはまた違った、話芸の楽しさでありました。

中入り後の「食いつき」は、漫才のホンキートンク。
寄席を中心に活動しているけれど、寄席の空気を邪魔しない、見事な芸です。
若手と呼ばれる漫才グループが何組かいるけど、どの人たちもいい味出している。
テレビに出る「芸人」の芸とは全く別物の、立派な話芸であります。

そのあとは、三遊亭歌奴の落語。
この人、相撲が好きで有名で、東京場所の向正面花道に、たまに写り込む師匠です。
横綱が人情相撲で負けてやる「佐野山」からの一席。
八百長相撲とは一線を画した、いい噺なんですが、
昨今の相撲不祥事の最中ゆえ、なかなか取り上げるのは難しいかも。
でも歌奴は、相撲好きゆえ行司や呼出しの所作も熟知していて、
相撲好きにはたまらない一席。
相撲仲間と一緒に聴きたい話であります。

トリの師匠の前の「ひざ」は、紙切りの林家正楽師匠が代演になり、奇術のダーク広和さん。
奇術はキライじゃないんだけど、一生懸命見ないとならない芸ゆえ、
少し疲れちゃうのであります。
あと、タネがどうなっているのかを探るように見てしまうのも、なんか疲れる一因かも。
神楽とか、紙切りとかだと、気楽に見ていられるので好きです。

で、トリは柳家さん喬師匠の「柳田格之進」。
20180106さん喬.jpg
実直なお侍さんが、商家の旦那と知り合い、碁を打つ。
無駄なことを語らず、ただただ碁を打つ音だけが響く、それだけの関係。
ある日、商家の離れで碁を打って帰ったあと、50両が無くなる。
番頭が「柳田さまがお持ち帰りになったのでは」と疑うも、
旦那は「そんな事をするようなお方ではない」として、番頭を諌める。
モヤモヤした番頭は、柳田の家に行き、それとなく50両のことを聞くと、
清廉で実直な柳田は、自分にかけられた嫌疑を解消するために、
娘を吉原に売り、その手付で50両を用意し、番頭に手渡し、江戸を去る。

暮れにすす払いをしていた小僧が、無くなったと思っていた50両が出てきたと言い、
旦那は店の若い衆を集めて、柳田の行方を探すように命ずると、
番頭がたまたま、柳田を見つける。
別の藩主のもとで、お付きの家来になっていた柳田だが、
吉原に売られた娘を買い戻すも、心身が病んでしまい、
黒髪が真っ白になり、部屋に閉じこもり、涙に明け暮れる日々だという。
無実の自分に嫌疑をかけた、旦那と番頭への沙汰は、翌朝に出すとして、
番頭を帰す。

武士への非礼を、命を持って償おうとする旦那と番頭は、
眠れぬ夜を過ぎ、明朝、柳田の訪問を受ける。
旦那と番頭が、相手をかばい、自らの首を差し出すと言い張る。
その光景にいたく感動した柳田は、懐の刀を抜くと、首を斬るのではなく、碁盤を見事に切る。
そして、不問に処すという、人情噺であります。

さん喬師匠の、淡々とした語り、そして音というところに着目して、
碁を打つ音、風のきしむ音、ハラハラと泣く声。
旦那の、番頭への叱責の鋭さなど。
お客さんが唾液を飲み込む音すら、はばかられるような緊張感。
そして、立場を超えた友情、互いをかばい合う師弟愛に、
いつしか、鼻をすする音と、ハンカチを目に当てる仕草だけが、鈴本の客席に漂います。

世知辛い世の中、そして慌ただしい歳末。
人情に飢えた社会で、それでも人を許すことの尊さを存分に聴く一席。
跳ね太鼓が流れる中、多くのお客さんは客席を立ちあがることができませんでした。
眼からこぼれたものを、ハンカチにある程度吸わせないと帰れない。
そんな温かみを感じる、師走の夜でした。

深いこと考えずに、大笑いする席もいいけど、
こうして、人の情けを話芸で浸れる時間も好きです。
だから寄席って楽しいなあと思うのであります。

帰りに北千住の大はしさん経由で、2日連続で武里のブラッディマリーさん。
ブラッディのバーテンダーさんには、落語好きの方がいて、この高座のことを話したくて、
連日の訪店をしちゃいました。
帰宅は終電、そして私の体調はよりひどくなってきたのであります(笑)

年の瀬のネタはまだ続く。




タグ:落語 上野
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