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大晦日(おおつごもり)に寄せて [考える]

大晦日(おおつごもり)に寄せて

勝手に慌ただしく過ごす2017年も、あと半日を残すのみになりました。
首都圏は好天に恵まれていますが、読者の皆さまの住む街は穏やかでいらっしゃいますでしょうか。
喧騒と厳粛が混在する大晦日を迎え、今年を多少ふり返りながら、
来たる2018年へのビジョンを考えてみたいと思います。

弊ブログはなんといっても、開設7年にしてついに、毎日更新が途絶えた時期を今年経験しました。
晩夏ごろからのさまざまな不安定さは、10月・11月の精神的な疲弊も重なり、
日々、義務的に文章を書くことの疑問を持ちました。
その結果、連日13時更新が2ヶ月ほど途絶えたのでありますが、
12月になって、文章を書きたいと渇望する思いが強まり、
また日々更新が再開しております。

メンタル面での不安定が、さまざまな部分に派生した一方、
趣味の面では、新たな出会いもありまして、
これまで知り合う機会のなかった人との交流も持つことができました。
芸術鑑賞はなかなかできなかったけど、
それでも人さまよりもアクティブに動くことができた1年だったような気がします。

2018年は目先のやるべきことだけではなく、長期的な視野で、
自分のライフスタイルを模索していく年になると思います。
余裕ある生き方というものを、探すことになるでしょう。
陛下も2019年にはご退位されることと、自分が何かリンクして行ければと、漠然と思っています。
もちろん皇室との関係ではなく「花道」という考えに対して、
そろそろ考えを巡らせる年齢に差しかかってくるのだと思っています。

年の瀬に、身内の話で大変に恐縮ですが、1つのエピソードをご紹介します。

双子の妹がいるのですが、その姉の方(妹1号)に、今年11月ごろ、封書が届きました。
「日本骨髄バンク」というところからです。

彼女は骨髄バンクにドナー登録をしています。
(私も以前よりドナー登録しています)

骨髄の移植を希望する患者さんと、その型が適合したという連絡でした。
私はドナー登録して8年くらい経ちますが、これまで一度も適合したことがありません。
しかし妹1号は、たまたま合致した数名に入ったとのこと。

合致したからただちに移植というのではなく、そのあと数段階の選抜があります。
採血をして細かい型の適合状況を調べ、健康状況を調べ、
長期間の入院(4~7日間)ができる環境かを調べるなどを経て、
最終的に移植になる、その第1段階でのアプローチです。

気軽にドナー登録しても、その負担の重さにたいがいの人は「移植拒否」を申し出る中、
妹1号は志願して、採血に向かいました。
母はその移植に難色を示していましたが、
もし母が承諾しなくても私が付添い人になるつもりでした。
別に他人の命を救いたいという崇高な思想があるわけではないのですが、
たまたま適合した人がいて、
その人に自分の体の一部を提供できるならという気軽な気持ちだったようです。

押し迫った12月下旬、妹1号に再度骨髄バンクから連絡が届きました。
「患者さん(移植を受ける人)の都合により、今回のマッチングは終了となりました」

私たちドナーは、その文章以上のことを知るすべはありません。
患者さんの都合――とは、もしかしたら、
患者さんが移植できる環境ではなくなってしまったのかもしれませんし、
移植以外で自然治癒ができるのかもしれません。
最悪の事態では、移植を渇望しながら、命が間に合わなかったのかもしれません。
言葉を重ねますが「文章以上のことを知るすべはない」のです。

妹1号から「残念だよ、間に合わなかったのかな」というメールが来ました。
見ず知らずの、自分とはまったく他人のだれか、
それも仮に移植をしたとしても未来永劫、
その人が誰なのかわからない「遠くの隣人」の体調をおもんぱかる気持ちが、
彼女に芽生えたのだとしたら、
この間の移植コーディネートで体験したことは決してマイナスではないと思いました。

もちろん、目の前で苦しんでいる人がいれば、
助けようと思うのは人間の本能であり、求められるものです。
でも、利害のない、なにも知らない人に対して、自らのカラダの一部を提供するというのは、
究極のボランティアであり、隣人愛であります。
自らの体にメスを入れ、副作用のリスクを背負いながらも、
前向きに移植コーディネートに臨んだ妹1号は、
身内ながら誇れる人間であり、尊敬したいと思います。

母が不安を思って、この移植に賛成しなかったときに、私は母に含めるように説得しました。
「おそらく本人が一番不安なのに、それでも移植に応じると言っているんだから、
それを身内が応援してあげなきゃ、だれが応援するの?
「うちの家系から、そこまで献身的なことができる人が出るとしたら、
自分はなによりも誇れることだと思う」
母の気持ちもわからなくはありません。
愛娘が、見ず知らずの人の為にそこまで施して、
金銭的にも精神的にも得るものがないのですから。

この年末、私の家族それぞれは、降って沸いた話でいろいろ考えを思いめぐらせました。
いちばん考えたのは、張本人の妹1号です。
その妹1号が「間に合わなかったのかと思うと残念だよ」と思えた。
その一文こそが、彼女と私たち家族をほんの少し成長させてくれたことだと思いました。
逢うこともできない、去就すらわからない、その患者さんに教えて頂いたのです。
それがもしかしたら、2017年の最大の出来事だったのかもしれません。

まとめてしまえば「骨髄移植の話が来たが、実現しなかった」というだけのこと。
たったそれだけのことです。
それだけの2017年、でもたった数センチかもしれませんが、私たちは前に進めました。
こういうことが、重なっていけたらと思うと、来年がなお楽しみであります。

どうか、穏やかな年の瀬をお過ごしくださいますよう。
大晦日に際して、今年最後のたわごとを読んでくださってありがとうございました。

                     式守錦太夫







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とんちゃん

年末に仕事の忙しさに加えて、体調不良とは、大変でしたね。
ブログは1年間、楽しませていただきました。
ありがとうございました。
新年も健康で、よい年でありますようにお祈りいたします。
by とんちゃん (2018-01-01 10:12) 

式守錦太夫

とんちゃんさま、今年もどうぞよろしくお願いします。
健康がなによりだと思います。
どうかお互い、2018年は飛躍の年に。
今年こそ、お会いできたらうれしいです。
by 式守錦太夫 (2018-01-02 01:33) 

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